ホームページ(ブログ)の作成を専門業者に依頼すると、中小企業のサイトであっても数百万円もの見積書が提示されることはよくあることです。
しかし、その内訳を見ると、費用項目の多くは制作会社の人件費が占められています。
サイトによっては、非常に高度な技術を必要とすることもありますので一概には言えませんが、おそらくほとんどの中小企業から個人であれば、ネット上のサービスを利用することで自力で作れてしまうケースが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、中小企業から個人を対象として、自力で独自ドメインのホームページやブログを作る際に、最低限必要なコストについて考えてみました。
なお、大企業による大規模サイトや、ショッピングカートを使うECサイト、その他特殊な技術を必要とするようなサイトに関しては対象外とします。
この記事の目次
ドメインとレンタルサーバー
いくつかの例外的なケースはありますが、独自ドメインのサイトを作るなら、基本的にはドメイン代とレンタルサーバー代が必要となります。
ホームページ制作会社に依頼する場合でも、この二つの項目は必ず見積りに入ってくるはずです。
ドメイン費用
ドメインとはホームページの住所を示す文字列で、当サイトの場合、” serverbest.red ”が該当します。
この文字列をWebブラウザのURL欄に入力することで、どんな端末からもこのホームページ(ブログ)にアクセスできるわけです。
また、独自ドメインを持つことで、たとえば、” ***@serverbest.red ” のようなメールアドレスを自由に作って利用できるようになります。
さらに、企業であれば独自ドメインを持つことで顧客からの信頼につながるというメリットもあります。
独自ドメインを作るにあたっては専門のサービス業者に依頼する必要がありますが、作成時には取得費用が、毎年の維持にあたっては更新費用がかかります。
なお、ドメインの価格はドメインの種類(.com / .net / .jp など)によっても価格は異なりますし、ドメインサービス業者によっても価格差があります。詳しくは「独自ドメインを格安で取得する方法&おすすめサービスベスト5」をご覧ください。
また、独自ドメインを無料で取得&更新する方法もありますが、たいていはレンタルサーバーとセットになっています。希望するレンタルサーバーであれば検討してもよいでしょう。
レンタルサーバー代
ホームページ(ブログ)を運営するにあたっては、データの置き場所としてレンタルサーバーを借りる必要があります。
自社(自宅)サーバーで運用するという方法もありますが、専門的なサーバー構築と運用のノウハウが必要になりますので、もともとそのようなノウハウを持っている場合を除き、あまりおすすめできません。
24時間365日休まず稼働させる手間や人件費、電気代、セキュリティ面なども考慮すると、レンタルサーバーにアウトソーシングした方がはるかに安上がりでしょう。
レンタルサーバー代としては、安いものでは月額100円を切るものから、高いものでは7,000円以上かかるものまでピンきりです。
ただし、これだけの価格差にはそれなりの理由があります。レンタルサーバーが初めての方は、まずは「初心者におすすめのレンタルサーバーと確認必須の7ポイント」をご覧ください。
なお、エックスドメインやスタードメイン
のように、独自ドメインを取得することで、無料でレンタルサーバーを使えるサービスもあります。
ただし、エックスドメインの場合はホームページに小さな広告が表示されます。
スタードメインの場合、広告表示はありませんが、データベースを利用できないのでWordPressサイトは作れません。
HTMLベースかWordPressか
ホームページ(ブログ)を作るにあたっては、専用ソフトを使うのが一般的ですが、大きく二通りの方法があります。
一つはデータベースを使わないHTMLベースによって作る方法と、もう一つはデータベース(MySQL)を使ってWordPressで作る方法です。
かんたんに両者の違いを比較してみます。
HTML | WordPress | |
---|---|---|
データベース | 不要 | 必要(MySQL) |
コンテンツ | 静的 | 動的 |
表示速度 | 速い | やや遅い |
サイト規模 | 100ページ位までの小~中規模 | 数百~数千ページの大規模 |
更新頻度 | 少ない | 多い |
更新方法 | FTPアップロード | ブラウザの管理画面から |
管理の手間 | ほとんど不要 | 頻繁なアップデートに対応が必要 |
使用ソフト | ホームページビルダー、SIRIUS | WordPress+テーマ |
例外的なケースもありますが、おおよそこのような分類になるのではないでしょうか。
いずれもメリットとデメリットがありますが、100ページ位までの更新頻度の少ないホームページを作りたい、あるいは小規模サイトの大量生産をしたい場合は、ホームページ作成ソフトを使ってHTMLベースで作るのがおすすめです。
一方、頻繁に更新するような大規模なブログもしくはホームページの場合は、WordPressをベースに、サイトイメージに合ったテーマ(テンプレート)を使って作るとよいでしょう。
ホームページ作成ソフト
ホームページ作成ソフトの場合、パソコンで作成して、できあがったファイル群をサーバーにFTPアップロードすることでインターネット上に公開されることになります。
インターネットのつながらないローカル環境でも作成できますが、ホームページを更新する場合は、更新したファイルをその都度アップロードする必要があります。
ホームページ・ビルダー
HTMLベースのホームページを作成するためのソフトとして代表的なものは、IBMの「ホームページビルダー」でしょう。
私も以前使ったことがありますが、パッケージを確認したところ「ホームページ・ビルダー11」でした。2006年12月発売ですから既に8年以上前ですね。
HTMLの知識がなくても直感的にホームページを作れるので、初心者向けのホームページ作成ソフトとしては、これ一択でした。とくに画像作成ツールは使い勝手がよかったので、当時はよく利用していました。
ここ数年は使っていませんが、現行バージョンは「19」なので、機能面ではかなり進化していると思われます。
SIRIUS
また、一般には出回っていませんが、「SIRIUS」も非常に使い勝手のよい優れたソフトです。
基本的にはアフィリエイトサイト作成を前提としたソフトですが、個人の趣味サイトや中小企業のホームページなども作れます。
テンプレートが充実しているので様々な用途に対応できますし、初心者でも素人臭さのない洗練されたホームページを素早く簡単に作ることができます。
また、画像作成ツールやFTPアップロードなど、ホームページの作成から公開まで一通りできる機能も内蔵されているので、「SIRIUS」さえあれば他のソフトは必要ありません。
なお、「SIRIUS」には通常版と上位版がありますが、上位版ではiPhoneサイト同時生成機能やSEO対策機能、予約投稿機能などが備わっています。
とりわけ、ここ最近では「スマホファースト」とも言われるように、iPhoneなどのスマートフォンからのアクセスが急増しており、サイトによっては半分以上のアクセスがスマホからということも珍しくなくなっています。
18,800円(税込)の通常版に対して、上位版は24,800円(税込)と高額ですが、より多くのユーザーに見てもらえるサイトを作りたいなら上位版の方がよいでしょう。
なお、通常版を購入したあとでも、「上位版アップグレード権」を購入することで上位版に変更することは可能です。
WordPress+テーマ
WordPressとは、インターネット上で無償配布されているオープンソースのブログソフトウェアのことです。
ようは、レンタルサーバーにWordPressをインストールすることで、無料ブログの管理画面と同じように簡単にブログを作れるようになるわけです。
WordPress自体は無料ですし、テーマ(テンプレート)も無料から有料まで無数にありますので、無料のテーマから気に入ったものを選べば、作成ソフトに関してはまったくコストがかかりません。
また、基本的にはブログ向きのソフトですが、豊富なテーマの中には企業のホームページ等のWebサイトに適したデザインもありますので、様々な用途に活用することができます。
さらに、無料のプラグイン(拡張機能)をインストールすることで、コミュニティやSNSを作ることも可能です。
なお、Webブラウザから管理画面にアクセスして作成するので、基本的にはインターネットにつながった環境でのみ※作業することになります。
※ローカル環境でも作成できる「Windows Live Writer」のような無料ソフトもあります。
もちろん、更新作業もWebブラウザを介しておこなうので、HTMLベースのようにその都度アップロードする必要はありません。
おすすめのテーマ
WordPressには数多くのテーマがあります。基本的には気に入ったものを選べばよいと思いますが、あまりにも数が多すぎて迷ってしまう方も多いでしょう。
そこで、私が特におすすめするテーマをいくつかご紹介します。選択にあたっての基準は以下の4点です。
- 日本製(日本語でのサポートが期待できる)
- 内部SEO対策済み(Googleからの正当な評価を期待できる)
- レスポンシブWebデザイン(iPhone等では自動的にデザインが最適化される)
- 利用者数が多い(検索すれば問題解決できる可能性が高い)
これらの条件を満たすテーマとしてはこのようなものがあります。
なお、「Stinger5」、「Simplicity」、「Gush2」は無料テーマですが、「賢威」のみ有料テーマ(税込24,800円)となります。
有料なだけに非常に高機能で、サポートも充実しており、WordPressのテーマは「賢威」さえあれば、他はいらないとも言われています。
まとめ
どのような方法でホームページを作るにしても、ドメイン代とレンタルサーバー代は必要です。
さらに、HTMLベースで作るならホームページ作成ソフトが、WordPressで作るなら無料もしくは有料のテーマ(テンプレート)が必要になってくるわけですが、最適なソフトはどのようなWebサイトを作りたいかによって異なります。
レンタルサーバー選びの前に、まずは作りたいWebサイトの目的や更新頻度、ページ数などをある程度具体的にしておくと、何が必要で、何が必要ないかが明確になるでしょう。
HTMLベースで作るなら、レンタルサーバーにデータベースは必要ありませんし、マルチドメインの数とディスク容量が許すだけ、複数のサイトを作ることもできます。
一方、WordPressの場合は、基本的にはデータベース(MySQL)の数だけしか作ることができません。また、WordPress簡単インストール機能が付いていることも、サーバー選びの重要な要素になるでしょう。